コラム・アート概論

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コラム28:カツカレーカルチャリズム的鑑賞

感覚の翻訳としての芸術と社会 芸術作品の鑑賞は、長らく「理解」や「解釈」の問題として扱われてきた。作者の意図や時代背景、様式の位置づけを明らかにし、それを言語によって整理すること。しかしそのプロセスは、ときに作品を切り分けすぎてし...
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コラム27:時間の不在、その強度 ~ YBA展を観て

制作の質はどこにあるのか 先日、YBA展(テート美術館 - YBA&BEYOND 世界を変えた90s 英国アート)を観た。洗練された展示空間と印象に残る作品群によって、全体として見ごたえのある内容だった。一方で、いくつか引っ...
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コラム26:民族の理想と国家の戦略

可視化される欲望の変容 スラヴ民族の精神的統一を壮大な歴史画として描いたのが、アルフォンス・ミュシャである。代表作《スラヴ叙事詩》(1910–1928)は、民族の苦難と栄光を描き出し、その歴史と精神を可視化する試みであった。ここに見...
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コラム25:猫とヒエラルキーの攪乱

日本絵画から藤田嗣治へ 西洋絵画において、動物は長らく低位のモチーフに位置づけられてきた。歴史画や宗教画といった「人間の物語」が頂点にあり、動物はその周縁、あるいは従属的な存在として扱われる。そこでは、何を描くかが価値の序列と直結し...
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コラム24:作用する混成 ― カツカレーカルチャリズム試論

抽象・構造・現象・作用 ― カツカレーカルチャリズムの四層 カツカレーカルチャリズムは、いくつかの特徴によって輪郭づけることができる。それは、多文化的な要素が共存すること、異なる領域を横断すること、必要以上の過剰さを引き受けること、...
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コラム23:絵画の呼吸 ― 身体とイメージのあいだで

現代の絵画において、像はもはやひとつの意味やかたちとして定まるものではなく、完成された画面という価値そのものが不安定な状態に置かれている。その背景には、流通するイメージと多様な解釈が絶えず交錯している状況がある。 出典:Artped...
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コラム22:ほころびとしての絵画 ― 流通の外側にある価値

スマートフォンの画面を開き、いくつかの言葉を入力すると、数秒のうちに一枚の画像が生成される。光の反射や質感まで整えられたそのイメージは、かつてなら長い時間をかけて制作されていたはずの視覚的完成度を備えている。しかもそれは簡単に保存され、共...
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コラム21:流通するイメージ、その先にあるもの ― スクロールの時代における絵画の位置

私たちはいま、イメージを見るというよりも、それらのあいだを通過している。ヒト・シュタイエル(Hito Steyerl) は、現代における画像や映像のあり方を論じるアーティスト/理論家である。 出典:Artpedia/ヒト・シュタイエ...
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コラム20:正解のない時代の見方 ― アートと判断の射程

アートは「わからなさ」を扱う練習である 世界情勢の複雑化は、単に情報量の増加を意味するのではない。それは、何をもって正しいとするのか、その基準自体が揺らいでいる状態でもある。 出典:Artpedia/首脳会談1 こうした...
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コラム19:同時化としての近代絵画 ― 制作条件と経済、そして幸せ

美術史はしばしば様式や技法、主題の変化によって語られる。しかしその背後には、ほとんど語られないもう一つの条件がある。 それは、画家がどのように生計を立てていたかという問題である。 この条件は単なる生活事情ではなく、作品の構造そ...
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