コラム・アート概論

コラム23:絵画の呼吸 ― 身体とイメージのあいだで

現代の絵画において、像はもはやひとつの意味やかたちとして定まるものではなく、完成された画面という価値そのものが不安定な状態に置かれている。その背景には、流通するイメージと多様な解釈が絶えず交錯している状況がある。 出典:Artped...
コラム・アート概論

コラム22:ほころびとしての絵画 ― 流通の外側にある価値

スマートフォンの画面を開き、いくつかの言葉を入力すると、数秒のうちに一枚の画像が生成される。光の反射や質感まで整えられたそのイメージは、かつてなら長い時間をかけて制作されていたはずの視覚的完成度を備えている。しかもそれは簡単に保存され、共...
コラム・アート概論

コラム21:流通するイメージ、その先にあるもの ― スクロールの時代における絵画の位置

私たちはいま、イメージを見るというよりも、それらのあいだを通過している。ヒト・シュタイエル(Hito Steyerl) は、現代における画像や映像のあり方を論じるアーティスト/理論家である。 出典:Artpedia/ヒト・シュタイエ...
音楽

ヴェルヴェット・アンダーグラウンド『The Velvet Underground & Nico』、モブ・ディープ『The Infamous』――尖鋭のまま覚醒する成熟

ニューヨークに響くアンダーグラウンドの系譜 1960年代と1990年代、ニューヨークという都市は、それぞれの時代を象徴するアンダーグラウンドの傑作を生み出した。ヴェルヴェット・アンダーグラウンド(The Velvet Undergr...
音楽

キング・クリムゾン『太陽と戦慄』、ナイン・インチ・ネイルズ『The Fragile』―― 太陽の光とモニターの光

1973年に発表された『太陽と戦慄』と、1999年に発表された『フラジャイル』は、時代もジャンルも異なる作品でありながら、静寂と轟音の極端な対比を通じて聴き手の意識を覚醒へと導く点で深く共鳴している。 キング・クリムゾンが創り上げた...
音楽

ピンク・フロイド『原子心母』とリスト『前奏曲』――壮大なロマンと生命の円環

学生の頃、ある友人からこう言われたことがある。「感想を聞いただけで、その人の感性が測られてしまう恐ろしいアルバムがあるけど、聴く?」そう言って手渡されたのが、『原子心母(Atom Heart Mother)』だった。 出典:Artp...
アート

混ぜすぎた美術史 30 ~フランシス・ピカビア

フランシス・ピカビア(1879–1953、フランス) 崩れ続ける様式 一 貫性の解体 フランシス・ピカビアは、特定の様式にとどまることを徹底して拒み続けた画家である。スペイン系の父とフランス系の母のもとに生まれ、比較的自由な環...
アート

混ぜすぎた美術史 29 ~ジョルジョ・デ・キリコ

ジョルジョ・デ・キリコ(1888–1978、イタリア) 遅れてやってくる意味 ― 不安な空間 デ・キリコは、対象や形態を消し去るのではなく、それらをあえて残すことで、別の不安定さを引き出した画家である。彼の画面には、建物や彫像...
アート

混ぜすぎた美術史 28 ~ワシリー・カンディンスキー

ワシリー・カンディンスキー(1866–1944、ロシア) 音のような絵画 ― 形態の解放 カンディンスキーは、絵画が対象を描くという前提そのものを問い直した画家である。彼の絵画においては、風景や人物は次第に輪郭を失い、やがて明...
アート

混ぜすぎた美術史 27 ~パブロ・ピカソ

パブロ・ピカソ(1881–1973、スペイン) 崩れはじめた様式 ― 絵画の臨界点 20世紀初頭、世界はもはやひとつの視点から捉えられるものではなくなりつつあった。その変化を、いち早く絵画の中で引き受けたのがパブロ・ピカソであ...
タイトルとURLをコピーしました