音楽

ベニー・ザ・ブッチャー『Everybody Can’t Go』─ 文化は受け継がれる

ベニー・ザ・ブッチャーを語るなら、『タナ・トーク(Tana Talk)』を代表作に挙げる人は多いだろう。 ストリートで生きてきた現実を、誇張することなく淡々と語るラップ。その完成度によって、『タナ・トーク』は現代ヒップホップを代表す...
音楽

コンウェイ・ザ・マシーン『Silent Face Killah』 ― 余白が語る現実

『サイレント・フェイス・キラー(Silent Face Killah)』というタイトルを見たとき、最初は激しいギャングスタ・ラップを想像した。 しかし、このアルバムに満ちているのは、叫びではない。 むしろ驚くほど静かである。 ...
音楽

アルケミストとオーノー『Gutter Water』─ どぶで煮込まれる文化

アルケミストとオーノーによる『ガター・ウォーター(Gutter Water)』を初めて聴いたとき、私は少し戸惑った。 決して整理された音楽ではない。むしろ、ごちゃごちゃしている。 あのビート、このサンプル、この空気。 次...
音楽

フレディ・ギブスとアルケミスト『Alfredo』『Alfredo 2』が描く成熟 ─ パスタとラーメン

パスタとラーメン──フレディ・ギブスとアルケミストが描く成熟 フレディ・ギブスとアルケミストによる『Alfredo』、そして『Alfredo 2』。 パスタとラーメンという、一見すると食べ物を主役にした二枚のジャケットは、近年...
アート

混ぜすぎた美術史 86 ~具体美術協会

受容の途中で創造になる日本美術 ~ 使ってしまう文化 具体美術協会の作品や制作風景を初めて見ると、多くの人は思わず驚く。 白髪一雄は天井から吊るしたロープにつかまり、巨大な画面の上を両足で滑るように描いている。 出典:...
コラム・アート概論

文化になる思想 Ⅲ ― 受容という創造

思想はどのように文化になるのか ここまで、日本文化には、外からもたらされた概念や思想を形式へと翻訳する傾向があること、そして現代アートもまた、「問い」より「返し」として受容されやすい側面があることを見てきた。 そこで最後に考え...
コラム・アート概論

文化になる思想 Ⅱ ― 現代アートを「返し」の歴史として読む

問いはどこへ消えたのか 日本文化には、外からもたらされた思想や概念を、そのまま保持するのではなく、生活や制度、形式へと翻訳する傾向があり、それが前章で述べた「概念の工芸化」を支える文化的な土壌になっていることを述べた。 この視...
コラム・アート概論

文化になる思想 Ⅰ ― 現代アートは、なぜ日本で「形式」になるのか

現代アートは、しばしば「概念の芸術」と呼ばれる。 しかし実際には、概念そのものが作品なのではない。 作品とは、ある思想や問題意識を、どのような形式として世界に現すかという試みである。 出典:Artpedia/マルセル・デ...
アート

混ぜすぎた美術史 85 ~岡本太郎

岡本太郎(1911–1996、日本) 日本を掘り起こす――世界を知って見つけた未来 戦後日本美術の中で、岡本太郎ほど「未来」を語った画家はいない。 しかし、彼の未来は、西洋に追いつくことでも、近代を完成させることでもなか...
アート

混ぜすぎた美術史 84 ~難波田龍起

難波田龍起(1905–1997、日本) 世界は響き続ける――生命が抽象になるとき 戦後日本の抽象絵画を語るとき、難波田龍起ほど自然と抽象を穏やかに結び付けた画家はいない。 若い頃は風景や樹木を描いていた彼は、自然を見つめ...
タイトルとURLをコピーしました