コラム・アート概論

コラム19:同時化としての近代絵画 ― 制作条件と経済、そして幸せ

美術史はしばしば様式や技法、主題の変化によって語られる。しかしその背後には、ほとんど語られないもう一つの条件がある。 それは、画家がどのように生計を立てていたかという問題である。 この条件は単なる生活事情ではなく、作品の構造そ...
アート

混ぜすぎた美術史 18 ~ アンリ・ルソー

アンリ・ルソー(1844–1910、フランス) 純粋幻想とカツカレー的自由 ポール・セザンヌが形と構造の秩序を探り、ヴィンセント・ヴァン・ゴッホが激情と色彩で世界を揺さぶった19世紀末、西洋絵画にはもうひとつ、異なる道があった...
アート

混ぜすぎた美術史 17 ~ ヴィンセント・ヴァン・ゴッホ

ヴィンセント・ヴァン・ゴッホ (1853–1890、オランダ) 感情が世界を塗り替えるとき― 「情熱のカツカレー」 もし ポール・セザンヌ が世界の構造を静かに組み立て直した画家だとすれば、ヴィンセント・ヴァン・ゴッホ は、世...
アート

混ぜすぎた美術史 16 ~ ポール・セザンヌ 

ポール・セザンヌ (1839–1906、フランス) 世界を組み直す視覚 19世紀後半、西洋絵画は大きな転換点に差しかかっていた。 長い時間をかけて発展してきた遠近法や写実技術によって、絵画はすでに驚くほど正確に世界を再現...
アート

混ぜすぎた美術史 15 ~ 近代の入口 

世界を描くのではなく、世界を作り直す 19世紀後半、絵画の世界では静かな変化が起こり始める。 それまで西洋絵画の大きな課題は、世界をいかに正確に描くかという問題だった。遠近法、光と影、人体の解剖学。長い時間をかけて積み重ねられ...
アート

混ぜすぎた美術史 14 ~ 江戸から近代へ ― 世界が混ざり始めるとき

江戸時代の日本で展開された奇想の絵画 伊藤若冲、曾我蕭白、葛飾北斎、歌川国芳、河鍋暁斎といった画家たちは、安定した社会のなかで驚くほど自由な視覚世界を生み出した。 そこでは絵画と漫画、工芸と装飾、写実と幻想が、明確な境界を持た...
音楽

レディオヘッド『Kid A』からケンドリック・ラマ―『To Pimp a Butterfly』、そしてその間に広がった音楽 ― 溶解から配置へ

2000年前後、音楽の中で起きていた変化は、単なるスタイルの更新ではなかった。それは、主体・感情・時間・構造といった、音楽を成り立たせてきた前提そのものが、ゆっくりと揺らぎ始める出来事だった。 その起点のひとつとして考えられるのが、...
音楽

ヴァンパイア・ウィークエンド:『Vampire Weekend』『Contra』『Modern Vampires of the City』― ズレる身体と好奇心

Vampire Weekendの音楽は、混成がすでに前提となった時代において、その先にある感覚を提示している。そこでは異なる文化や様式はもはや衝突せず、最初から同じ平面に並び、配置されるものとして扱われる。 まずその特徴は、...
音楽

リンキン・パーク:『Hybrid Theory』『Meteora』― 混成の内部化と王道の再設計

2000年代に登場したLinkin Parkの音楽は、ロックにおける「混ぜ方」を大きく変えた。代表作『ハイブリッド・セオリー』『メテオラ』で聴けるのは、ロック、ヒップホップ、エレクトロニクスの融合である。けれど重要なのは、それが「混ざって...
音楽

ずれたビートの発明:ミッシー・エリオット『Supa Dupa Fly』とティンバランド『Tim’s Bio: Life from da Bassment』

1990年代後半以降のポップミュージックのサウンドを語るとき、Timbaland の名前は避けて通れない。ヒップホップのプロデューサーとして登場した彼は、やがてR&Bやポップの領域にも進出し、独特のビート感覚によって時代の音を作り...
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