コラム・アート概論

コラム27:時間の不在、その強度 ~ YBA展を観て

制作の質はどこにあるのか 先日、YBA展(テート美術館 - YBA&BEYOND 世界を変えた90s 英国アート)を観た。洗練された展示空間と印象に残る作品群によって、全体として見ごたえのある内容だった。一方で、いくつか引っ...
コラム・アート概論

コラム26:民族の理想と国家の戦略

可視化される欲望の変容 スラヴ民族の精神的統一を壮大な歴史画として描いたのが、アルフォンス・ミュシャである。代表作《スラヴ叙事詩》(1910–1928)は、民族の苦難と栄光を描き出し、その歴史と精神を可視化する試みであった。ここに見...
アート

混ぜすぎた美術史 41 ~エル・リシツキー

エル・リシツキー(1890–1941、ロシア/ソビエト) 越境する設計図 ロシア・アヴァンギャルドにおいて、その成果を一国の内部にとどめず、国際的な視覚言語へと接続したのがリシツキーである。彼はシュプレマティスムと構成主義のあ...
アート

混ぜすぎた美術史 40 ~ワルワーラ・ステパノワ

ワルワーラ・ステパノワ(1894–1958、ロシア/ソビエト) 生活を編み直す ロシア・アヴァンギャルドにおいて、芸術を最も直接的に日常生活のレベルへと接続したのがステパノワである。彼女は絵画や舞台美術を出発点としながらも、や...
アート

混ぜすぎた美術史 39 ~リュボーフィ・ポポワ

リュボーフィ・ポポワ(1889–1924、ロシア/ソビエト) 画面から生活へ ロシア・アヴァンギャルドにおいて、絵画という形式を出発点としながら、それを最もダイナミックに現実へと展開したのがポポワである。彼女は当初、キュビスム...
アート

混ぜすぎた美術史 38 ~アレクサンドル・ロトチェンコ

アレクサンドル・ロトチェンコ(1891–1956、ロシア/ソビエト) 視覚の再配線 ロシア・アヴァンギャルドの中で、芸術を最も直接的に大衆の視覚経験へと接続したのがロトチェンコである。彼は絵画の内部で完結する表現から離れ、写...
アート

混ぜすぎた美術史 37 ~ウラジーミル・タトリン

ウラジーミル・タトリン(1885–1953、ロシア/ソビエト) 構築される未来 ロシア・アヴァンギャルドにおいて、芸術を最も直接的に社会へ接続しようとしたのがタトリンである。彼が問い直したのは、「何を描くか」ではなく、「芸術は...
アート

混ぜすぎた美術史 36 ~カジミール・マレーヴィチ

カジミール・マレーヴィチ(1879–1935、ロシア/ソビエト) 純粋のゼロ地点 ロシア・アヴァンギャルドにおいて、最も急進的な転換を示したのがマレーヴィチである。彼は絵画を、対象を再現するための手段から解放し、純粋な感覚その...
アート

混ぜすぎた美術史 35 ~ロシア・アヴァンギャルドと社会の再構築

革命が設計したカツカレー 第一次世界大戦と1917年のロシア革命は、世界の秩序を根底から揺るがした。帝政ロシアは崩壊し、やがてソビエト連邦が成立する。そこでは国家、社会制度、そして人々の生活そのものが新しく作り直されようとしていた。...
音楽

電気グルーヴ『VOXXX』『TROPICAL LOVE』における「笑い」と「いたさ」の地平

すべり続ける音楽 電気グルーヴを最初に聴いたときの印象は、「ちょっとかっこいいけど変なお兄さん」だった。音は確かにクールで、テクノとしての機能美も備えている。だが同時に、どこか妙にふざけていて、そのかっこよさに安心して身を委ねること...
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