音楽

AZ(エーズィー)『Doe or Die』から『Doe or Die III』へ ─ 揺らぎと余白の魅力

音楽を聴いていると、ビートに自然と身体が揺れ、声の抑揚が耳に残り、曲が終わってもまた聴きたくなる作品がある。一方で、完成度は高く、気持ちよく聴けるはずなのに、一度聴けば十分だと感じる作品もある。 その違いは、単純に技術や楽曲の質だけ...
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ウータン・クラン『Wu-Tang Forever』─ 制御しきれないまま、組み上がっていく

ウータン・クランの『ウータン・フォーエバー(Wu-Tang Forever)』を聴いていると、最初は少し不思議な感じがする。 1993年の『燃えよウータン』には、何かが始まったばかりの勢いがあった。音は埃っぽく、湿っていて、決してき...
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インスペクター・デック『Uncontrolled Substance』/ザーフェイス『Every Hero Needs a Villain』─ 世界に同化せず、世界に参加する

インスペクター・デックのラップには、独特の安定感がある。 端正で、技術もしっかりしている。しかし、GZAのように言葉を知的に構築するわけでも、ゴーストフェイスのように強烈な語りで世界を押し広げるわけでもない。メソッド・マンのように声...
音楽

メソッド・マン『Tical 2000』─ ウータンのイデアの変質

メソッド・マン(Method Man)の『ティカル2000(Tical 2000: Judgement Day)』を改めて聴いていると、不思議な感覚になる。 音が多い。 スキットが入り、声が入り、さまざまなプロデューサーのビー...
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GZA(ジザ)『Liquid Swords』── 動かないためのラップ

ジザ(GZA)の『リキッド・ソーズ(Liquid Swords)』を聴いていると、ラッパーというより、チェス盤の前に座っている人の姿を思い浮かべる。 大きく動かない。 声を張り上げることもない。言葉を次々と投げつけるわけでもな...
音楽

ゴーストフェイス・キラー『Set the Tone』─ まだ開いていない引き出し

ゴーストフェイス・キラー(Ghostface Killah)の2024年作『セット・ザ・トーン(Set the Tone)』を聴いていて、あらためて不思議に思った。 この人には、まだ引き出しがある。 出典:Artpedia/ゴ...
音楽

レイクウォン『Shaolin vs. Wu-Tang』 ─ ウータンの「普通」をつくった男

レイクウォンの『シャオリンvs.ウータン(Shaolin vs. Wu-Tang)』を聴いていると、不思議な感覚になる。 RZA(レザ)がつくった初期ウータンの音とは少し違う。ビートはもう少し派手で、音の感触も現代的だ。それでも、レ...
音楽

RZA(レザ)『ゴースト・ドッグ : 侍の道』─ 感覚で編集された世界

ウータン・クランの『Enter the Wu-Tang (36 Chambers)』、いわゆる「燃えよウータン」を初めて聴いたとき、強烈だったのは、その音が当時のヒップホップの「強さ」と少し違っていたことだった。 音は籠っている。サ...
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混ぜすぎた美術史 131 ~幻想絵画とヨーロッパの美術観Ⅱ ― 形式とイメージのあいだ

5. 「確からしさ」の揺らぎ では、イメージが思考を生み出すのだとすれば、私たちが現実を理解するということは、どういうことなのか。 ここで、もう一つ考えておきたいことがある。 それは、私たちが何を現実らしいと感じ、何を確...
アート

混ぜすぎた美術史 130 ~幻想絵画とヨーロッパの美術観Ⅰ ― イメージが思考する

1. 目に見えるものから、目に見えないものへ 戦後のアメリカ美術を見ていくと、絵画とは何か、美術とは何かという問いが、次第に強くなっていく。 抽象表現主義では、描く行為や絵具の物質性が前面に現れる。ミニマリズムでは、作品の形や...
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