音楽

形式の前夜 ― プライマル・スクリームとエレファントカシマシの2ndアルバム

優れた作品には二つの姿がある。 ひとつは、形式が完成した姿である。 そこでは表現の方向性が定まり、何を目指していたのかがはっきり見える。作家と作品は一致し、ジャンルは自らの輪郭を獲得する。 しかし、もうひとつの姿がある。...
音楽

フィニアス・ニューボーンJr.『World of Piano!』とビッグL『Lifestylez ov da Poor & Dangerous』~ジャンルが自分自身になるとき

ある表現が成熟するとき、そこには不思議な瞬間が訪れる。 それは革命が起きる瞬間ではない。新しいルールが発明される瞬間でもない。 むしろ、その表現が自らの可能性を極限まで引き出し、「自分とは何か」をはっきりと示す瞬間である。 ...
アート

混ぜすぎた美術史 64 ~レオノーラ・キャリントン

レオノーラ・キャリントン(1917–2011、イギリス/メキシコ) 神話が暮らす家 ― 人間と動物と魔術の共存 レオノーラ・キャリントンの絵画には、不思議な穏やかさがある。 馬が語り、 鳥が見守り、 獣が儀式...
アート

混ぜすぎた美術史 63 ~レメディオス・バロ

レメディオス・バロ(1908–1963、スペイン/メキシコ) 動き続ける部屋 ― 科学と魔術のあいだ レメディオス・バロの絵画には、不思議な静けさがある。 そこでは奇妙な出来事が次々に起きている。 出典:Artpe...
アート

混ぜすぎた美術史 62 ~サルバドール・ダリ

サルバドール・ダリ(1904–1989、スペイン) 夢と原子のあいだ ― イメージが接続する世界 ダリは、シュルレアリスムを象徴する画家として知られている。 溶ける時計。 奇妙な生物。 不安定な空間。 ...
アート

混ぜすぎた美術史 61 ~マックス・エルンスト

マックス・エルンスト(1891–1976、ドイツ/フランス) 接ぎ木される世界 ― 鳥と機械と夢のあいだ エルンストの作品を見ていると、世界そのものが組み替えられていく感覚がある。 鳥が人間になる。 森が建築になる...
アート

混ぜすぎた美術史 60 ~アンドレ・マッソン

アンドレ・マッソン(1896–1987、フランス) 傷ついた無意識 ― 自動記述から戦争の時代へ マッソンの作品には、シュルレアリスムが持っていたもっとも根源的な欲望が現れている。 それは「考える前に描く」という欲望であ...
アート

混ぜすぎた美術史 59 ~シュルレアル、変身、過剰接続

内側に流れ込む世界 シュルレアリスムという言葉は、しばしば「幻想的な絵」や「奇妙な夢の世界」を指す言葉として使われる。しかし本来、アンドレ・ブルトンが目指していたのは、単なる空想や幻想ではなかった。 出典:Artpedia/ア...
コラム・アート概論

コラム33:見えないものの輪郭 ― リオタールと「余るもの」の哲学

私たちは作品について多くを語ることができる。 技術について。 構図について。 歴史について。 社会について。 制度について。 もちろん、それらは重要である。 作品は常に何らかの文脈のなかで生まれ、...
コラム・アート概論

コラム32:絵の最後の場所 ― 批評の変遷と交換されない身体

絵の良さとは何か。 戦後美術の批評は、この問いに対して異なる仕方で答え続けてきた。しかしそれは理論の変遷というより、何を良さとして受け取る感性を育てるかという変化だったように見える。 グリーンバーグにおいて、良さはまず視覚経験...
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