アート

混ぜすぎた美術史 14 ~ 江戸から近代へ ― 世界が混ざり始めるとき

江戸時代の日本で展開された奇想の絵画 伊藤若冲、曾我蕭白、葛飾北斎、歌川国芳、河鍋暁斎といった画家たちは、安定した社会のなかで驚くほど自由な視覚世界を生み出した。 そこでは絵画と漫画、工芸と装飾、写実と幻想が、明確な境界を持た...
音楽

レディオヘッド『Kid A』からケンドリック・ラマ―『To Pimp a Butterfly』、そしてその間に広がった音楽 ― 溶解から配置へ

2000年前後、音楽の中で起きていた変化は、単なるスタイルの更新ではなかった。それは、主体・感情・時間・構造といった、音楽を成り立たせてきた前提そのものが、ゆっくりと揺らぎ始める出来事だった。 その起点のひとつとして考えられるのが、...
音楽

ヴァンパイア・ウィークエンド:『Vampire Weekend』『Contra』『Modern Vampires of the City』― ズレる身体と好奇心

Vampire Weekendの音楽は、混成がすでに前提となった時代において、その先にある感覚を提示している。そこでは異なる文化や様式はもはや衝突せず、最初から同じ平面に並び、配置されるものとして扱われる。 まずその特徴は、...
音楽

リンキン・パーク:『Hybrid Theory』『Meteora』― 混成の内部化と王道の再設計

2000年代に登場したLinkin Parkの音楽は、ロックにおける「混ぜ方」を大きく変えた。代表作『ハイブリッド・セオリー』『メテオラ』で聴けるのは、ロック、ヒップホップ、エレクトロニクスの融合である。けれど重要なのは、それが「混ざって...
音楽

ずれたビートの発明:ミッシー・エリオット『Supa Dupa Fly』とティンバランド『Tim’s Bio: Life from da Bassment』

1990年代後半以降のポップミュージックのサウンドを語るとき、Timbaland の名前は避けて通れない。ヒップホップのプロデューサーとして登場した彼は、やがてR&Bやポップの領域にも進出し、独特のビート感覚によって時代の音を作り...
音楽

トーキング・ヘッズ『Naked』― 身体だけが残った音楽

Talking Headsの最終作『ネイキッド』は、ロック史の中ではやや扱いにくい位置に置かれている。革新の象徴として語られることの多い『リメイン・イン・ライト』に比べ、この作品は決定的な「出来事」として記述しにくい。しかしそのこと自体が...
音楽

ナズ×ダミアン『Distant Relatives』―「正しさ」の再設計

遠い祖先と現在の身体 ヒップホップはしばしばアフリカへと遡る文化として語られる。しかしその始まりは、もっと具体的で即物的な場所にある。ブロンクスのパーティで、DJクール・ハークのようなDJたちは、生演奏ではなくレコードを使...
アート

混ぜすぎた美術史 13 ~ 江戸の混成文化

カツカレー的想像力の成熟 江戸時代の絵画を振り返ると、そこには一つの共通する感覚が流れている。それは、異なるものを同時に受け入れ、衝突させながら楽しむ想像力である。 この感覚は、西洋美術における混成的表現と無関係ではない。たと...
アート

混ぜすぎた美術史 12 ~ 河鍋暁斎

河鍋暁斎(1831–1889、日本) 混成の爆発と江戸の終わり~「暴れるカツカレー」 江戸後期から幕末、そして明治初期にかけて活動した画家、河鍋暁斎。日本美術史のなかでも、これほど自由で、これほど混沌としたエネルギーを持つ画家...
アート

混ぜすぎた美術史 11 ~ 歌川国芳

歌川国芳(1798-1861、日本) 大衆文化の想像力と混成の祝祭 江戸後期の浮世絵師、歌川国芳は、日本美術史のなかでもとりわけ奔放な想像力をもった画家である。武者絵、風刺画、妖怪画、戯画、さらには猫を題材にしたユーモラスな作...
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