音楽

低域と祝祭の拡張 — ヒップホップにおけるセカンドアルバム生成論 ~ ア・トライヴ・コールド・クエスト『The Low End Theory』、カニエ・ウェスト『Late Registration』をめぐって

セカンドという臨界点 セカンドアルバムとは何か。それは単なる二作目ではない。自己紹介の延長でもなければ、完成の予告編でもない。むしろそれは、創造主体が自らの可能性を制御しきれないまま拡張してしまう瞬間、スケールの臨界点に触れ...
音楽

拡張の祝祭 ― セカンドアルバムにおける創造性の遠心力 ~ レッド・ツェッペリン『Led Zeppelin II』とミューズ『Origin of Symmetry』をめぐって

完成以前の幸福 ロック史において「セカンドアルバム」はしばしば試金石とされる。デビュー作の衝動が偶然ではなかったことを証明する場であり、同時に作家性の輪郭が定まり始める地点でもある。しかし、そこには別の局面も存在する。完成さ...
音楽

結晶として投げられる音 ─ プリンス『パレード』カニエ・ウェスト『イーザス』統合の極と解体のスパーク

プリンス カニエ・ウェスト ポップ・ミュージックのある種の輝きは、完成された統一や洗練からではなく、過剰な素材がぶつかり合い続ける状態のなかで生じる。異質なものが溶け合う寸前、あるいはあえて溶け合わないまま保たれる緊張の持続。...
アート

カツカレーカルチャリズム画家列伝98 ~中村宏 編

恐れの上の信頼 ― 中村宏の虚無と絵画空間 戦争の気配を帯びた荒野や列車、瓦礫の広がる遠景の手前に、突然漫画のような顔が現れる。目は一つしかなかったり、太い線で輪郭だけが強調されていたりする。その顔は泣いても怒ってもいない。感情の出...
アート

カツカレーカルチャリズム画家列伝97 ~工藤哲巳 編

密室の生態 ― 工藤哲巳という作家像 閉じた環境から始まる芸術 戦後日本の前衛美術において、工藤哲巳ほど、密室という言葉が似合う作家は多くない。彼の作品は開放的な空間を志向するのではなく、むしろ閉じられた環境を前提に成立してい...
アート

コラム17:〈制度に収まりきらない教科〉としての図画工作・美術 ― 身体性が支えてきた教育課程

評価に収まらない教科の違和感 図画工作や美術にかかわった経験をもつ者であれば、一度は「評価」に対する強い違和感を覚えたことがあるだろう。作品の出来を点数に置き換えることへの抵抗感、活動の途中で生まれた揺らぎや迷いを、観点別評価の言葉...
アート

カツカレーカルチャリズム画家列伝96 ~北川民次 編

北川民次 教育・労働・地域をめぐる絵画的秩序 メキシコという土地が日本の画家に与えた影響を考えるとき、それは単に様式や色彩の問題というよりも、世界の組み立て方そのものに関わる出来事として見えてくる。二十世紀前半以降、多くの芸術家にと...
アート

カツカレーカルチャリズム画家列伝95 ~キャリントン 編

レオノーラ・キャリントン - 静かな開示としての閉じた世界 レオノーラ・キャリントンの絵画には、閉じた世界が静かに開かれていく気配がある。そこに描かれる室内や儀式的な人物、奇妙に変形した動物や女性像は、外界の現実を写し取るというより...
アート

カツカレーカルチャリズム画家列伝94 ~ゴラブ 編

レオン・ゴラブ ― 信じる身体、時代の残像と制作の射程 レオン・ゴラブは20世紀後半の美術史のなかで特異な立ち位置を占めるアメリカの画家である。具象表現主義に属しながら、戦争・暴力・権力・人間の身体というテーマを大画面で真正面から描...
音楽

ソニック・ユース:『Daydream Nation』『Goo』『Dirty』『Experimental Jet Set, Trash and No Star』~ 探り、逸脱、統合の音楽

1970年代後半から1980年代にかけてのニューヨークは、音楽と美術の境界が曖昧な場所だった。クラブやライブハウスにはパンクやポストパンクのバンドが集まり、ギャラリーやDIYスペースでは前衛美術やパフォーマンスが日常的に行われていた。この...
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