あーとむーす

アート

混ぜすぎた美術史 82 ~松田正平

松田正平(1913–2004、日本) 世界はなお美しい――暮らしの中で見つけた希望 戦後日本美術を振り返ると、傷ついた身体や記憶、不安や孤独を描いた作品が数多く現れる。その中で、松田正平の絵画は少し異なる場所に立っている。 ...
アート

混ぜすぎた美術史 81 ~麻生三郎

麻生三郎(1913–2000、日本) 生きるという重さ――剥き出しになった人間 敗戦後、日本は新しい時代を迎えた。 しかし、その始まりは希望だけではなかった。価値観は崩れ、人々は生きることそのものを問い直さなければならな...
アート

混ぜすぎた美術史 80 ~香月泰男

香月泰男(1911–1974、日本) 記憶は消えない――極限を生きた人間の形 戦後日本美術において、香月泰男ほど「記憶」を描き続けた画家はいない。 第二次世界大戦で応召し、終戦後はシベリア抑留を経験した彼にとって、戦争は...
アート

混ぜすぎた美術史 79 ~松本俊介

松本俊介(1912–1948、日本) 静かな都市、傷ついた近代――人間をもう一度見つめるために 戦後日本の美術を語るとき、松本俊介ほど静かな画家はいない。 幼い頃に聴覚を失った彼は、世界を音ではなく、形や光、距離によって...
アート

混ぜすぎた美術史 78 ~戦後日本 ― 焼け野原から世界を描く

美術は何を取り戻そうとしたのか 1945年、日本は敗戦を迎えた。 都市は焼け野原となり、それまで信じられていた価値観は崩壊した。天皇を頂点とする国家の理念も、近代化を支えてきた成功の物語も、大きな問い直しを迫られることになる。...
音楽

リック・ロス『Teflon Don』─ 虚構は、世界を編集する

ヒップホップでは、リアルであることが長く価値とされてきた。 どこで育ち、何を経験し、どんな生活を送ってきたのか。その人生そのものがラップの説得力になる。だからこそ、多くのラッパーは、自らの現実を武器として語ってきた。 しかし、...
音楽

2 チェインズ × リル・ウェイン『ColleGrove』─ 完成した形式は、対話によって再び動き出す

ヒップホップでは、新しいフロウや新しいサウンドを獲得することが創造だと考えられがちである。しかし、長いキャリアを積んだラッパーにとって、創造とは必ずしも新しい技法を発明することではない。 むしろ、自ら築き上げた形式を、他者との対話の...
音楽

バンB『Trill』から『横綱』へ  ─ サウスの身体性、日本的受容

形式の編集としての創造 バンB(Bun B)の『トゥリル(Trill)』(2005)は、南部ヒップホップの熱や湿度を、その土地だけの感覚から、誰もが共有できる「形式」へと変えた作品だった。重厚な低音と艶やかなシンセの上を、バンBは一...
コラム・アート概論

コラム37:世界への触れ方──形式・認知・AI時代 Ⅲ

後編 AI時代の絵画──遅さが生む認知 画像生成AIやデジタルツールの発達によって、イメージはほとんど瞬時に生成され、制作のプロセスは極端に短縮された。こうした高速化は創造の自由を広げるように見えるが、その裏側には別の工芸化が潜んで...
コラム・アート概論

コラム36:世界への触れ方──形式・認知・AI時代 Ⅱ

中編 技術の工芸化、概念の工芸化 芸術はしばしば「新しい認知」を生み出す営みとして語られる。しかし、その新しさも時間が経つにつれて制度化され、やがて再現可能な技術へと変わっていく。写実絵画では、構図や描写力、色彩の精度、完成度が評価...
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